自己紹介をかねて音楽の話

歌好きがそのままに、歌い続けて○十年。子供の頃はピアノの発表会、そのあとは子供の合唱団で舞台にたち、音楽学部へ。長くピアノを弾いていましたが、大学受験の頃には自分自身で見限り、同じくらい好きだった歌を選びました。教育にも興味はあったものの、理数が苦手で・・・

歌い手としてはクラシックとか「クラシック以外」も歌い、そして、どちらも教えています。クラシック声楽を教える立場にはありますが、それ以上に「うた」を教えたいと思っています。クラシックだけでは飽き足らない、といったところでもあります。

 

クラシック声楽って何なんでしょう?

今は声楽家、というより「オペラ歌手」の方が伝わりやすいでしょうか?

かつて友人に「オペラ歌手の戸田さん」と他の方に紹介された経験があります。ありがたい、しかし恐れ多い!というのも、オペラ歌手というのは文字通り「オペラ」で歌う人の事と思っているからです。

 

で、オペラって何?

オペラと言うのはいわば歌劇。歌劇と言うと、宝塚歌劇もそうだし、ミュージカルもそうなります。西洋から見ると歌舞伎が日本の歌劇らしいです。が、オペラは「西洋音楽史」の中で、1600年代くらいから発展してきた一つの「分野」です。

小中学校の音楽の授業で習うとしたら、モーツアルトの魔笛とか、フィガロの結婚とか(教育上よろしくない話なのですが)でしょうか。歌いながら芝居をしたり、芝居のセリフのようなところを半分歌いながら、そしていきなり歌いだしたり、というタイプの芸術です。

イタリアの作曲家プッチーニや、ドイツの作曲家ワグナーの作品は、セリフはなく、音楽でずっと構成されている舞台です。ワグナーは、ゴジラの音楽みたいな迫力。

 

歌舞伎俳優と、テレビ俳優は、同じ役者でも、出る舞台でジャンルが異なります。もっとも最近は歌舞伎の方もテレビに出ていらっしゃるかもしれません。映画俳優は主に映画で活躍し、舞台では、また違った技術が要求されます。

 

オペラ歌手というのは、オペラと言う場でお仕事をする歌手の事。私はオペラに出演したことはありますが、オペラ歌手専門ではありません。

 

「クラシック」「声楽」

クラシック音楽とは、ある一定の西洋音楽文化を指します。西洋生まれの音楽芸術のひとつです。クラシック音楽の時代は「古楽」「ルネサンス」「バロック」と時代に区切って説明され、このあとに「古典」「ロマン派」などが続きます。古典と言う言葉は実は英語だと「クラシック」だったりするので、ジャズのクラシックとか、ロックのクラシック、なんていう表現もあります。「定番の曲」と言う意味になります。

 

声楽は、文字通り、声の音楽もしくは芸術

実は日本には声を用いる音楽の歴史が豊富です。が、邦楽を持ち出すと、とんでもなく長い歴史があるので割愛させていただきます。(日本でクラシック音楽を学ぶときには、ほぼ、日本の音楽の知識には触れないんです)

 

クラシック声楽の声の出し方は、西洋式発声でもいいかもしれません。

現在はマイクを使うのも普通の事ですが、西洋音楽が生まれた1600年代にはまだ電気はなく、マイクももちろんありません。それどころか舞台においても「ちょっと前まで」マイクは一般的なものではなかったんです。

 

現在のミュージカルはマイク使用が一般的で、そもそも生ではなく録音された音源を使っている舞台も多くあります。でも、20世紀の舞台では、ミュージカルのマイクは舞台の前の方に設営されたもので、近寄る必要がありました。それを打開したのが、手にマイクを持って歌うミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」だったんです。

今はマイクもコードなしの時代。想像しにくいかもしれませんね。

 

オペラとかクラシックに話を戻しましょう。

オペラ歌手の発声、クラシックを歌うときの発声って、なんか違うんだ…と思ったことはありませんか。それは「マイクなしで歌うための発声」が発展してきたからなんです。

 

マイクのない時代、西洋の教会での歌は、多く教会内での響きから発展し、曲作りにも影響を与えました。イタリアの街では、お芝居と更なる声が結びつき、客席へ聞こえる発声やら、また曲作りやオペラ作りへと発展したそうです。「サロン」で音楽

もとめ舞台から

オペラも、「歌曲」も、西洋音楽の歴史の中では、「生音」が基本だったのです。